ニャッシャソゲームイズム

このブログでは僕が主にゲームやアニメを通じて得た感想などを記していきます。

記事はゲーム85%:アニメ10%:その他5%くらいの割合になる予定です。
【注意】 このブログは「ネタバレしながら思いっきり語る場が欲しい!」 という動機で始めたためネタバレが多めです。ご了承ください。

ゼルダの伝説Totkの物語の解釈 ゼルダから感じる新しい「任天堂のアタリマエ」

 

ゼルダの伝説Totkをクリアしました。前作に引き続き面白かった…。

ゲーム性はもちろんですがストーリーもやはり面白かったですね。この記事では感想がてら僕の物語の解釈を語っていこうかと思います。ネタバレもあるので悪しからず。

 

 

 

■BotwとTotkは「スクラップアンドビルド」の物語である

Totkの話をする前に前作Botwの内容を軽くおさらい。

 

ざっくり言うと前作Botwはゼルダのアタリマエを見直す」をコンセプトとしたゲームでした。

物語の内容もこれに沿っており、全てが崩壊したハイラルで記憶もしがらみも全て無くしたリンク=プレイヤーがそれでも本当に大切だった物は何か、本当のゼルダのアタリマエ」がなんだったのかを探す物語でした。

過去の記事でこの辺りの前作の内容をまとめてるので詳しくはこちらも読んでみて下さい。

ゼルダの伝説Botwの物語の解釈 「ゼルダのアタリマエ」について - ニャッシャソゲームイズム

 

 

本作Totkはそれから何年かが経ちました。

ハイラルの各地で復興が進んでいるようですが、その中で「世代交代」も徐々に起きているようです。一方で「古くからの積み重ね」を大事にしてきた人たちはそれを好ましく思わないところもあるようです。

この辺りが顕著なのはハテノ村の村長選ですかね。ファッションでハテノ村に新しい風を吹かせようとするサゴノさんと古くからの野菜作りを大切にするクサヨシさんの対立によって巻き起こる村長選の話です。

 

そう、Totkのテーマは正にこれなんです。

一言で言ってしまえば「温故知新」でしょうか。古くからの積み重ねを学び、新しい世代へ向かって進んでいく。これが物語の主題のようです。

 

 

 

 

 

さて、ここからが本題。物語の解説です。

今作ではゼルダ姫はマスターソードと共に過去のハイラルへ飛ばされてしまいました。そして過去へいったゼルダ姫は未来でガノンドロフを倒すため龍となってマスタソードに聖なる力を蓄え続けることを選択します。過去のハイラルへいったゼルダ未来のハイラルにいるリンクに想いを託しました。リンク=プレイヤーはそんなゼルダ姫の手がかりを探し求めて少しずつ復興するハイラルを旅します。

 

この構造、前作Botwが全てが失われたハイラルで本当の「ゼルダのアタリマエ」=ゼルダの本質を探す旅だったことを踏まえるなら、今作Totkは新しい土台が生まれつつあるハイラルで前作救われなかった「ゼルダのアタリマエ」=過去の積み重ねを探す物語なんです。

言ってしまえばBotwはスクラップアンドビルドの「スクラップ」の話で、Totkは「ビルド」の話なんです。2作合わせてゼルダのアタリマエを見直す」というスクラップアンドビルドの物語なんですよ。

 

 

 

ティアーズオブザキングダム、涙の王国。それは「過去のハイラル」のことです。

それを踏まえてこの公式イラストを見てください。

 

 

 

 

このイラストのゼルダ姫の目元、よく見てください。

泣いてるんです。ゼルダ姫は泣いているんです。

 

過去へ行ったゼルダ姫は、失われた過去は泣いているんです。

 

 

 

リンクはそんなゼルダ姫へ必死に手を伸ばして、掴もうとしているんです。

失われてしまった過去が泣いていて、リンク=プレイヤーが必死に過去を救い上げようとしているんです。

 

エンディングまで遊んだ方ならきっとこのゲームを楽しくプレイされたかと思います。そして過去作をプレイしたことがある方ならおわかりいただけるでしょうが、ティアーズオブザキングダムでは「過去のゼルダ作品」を思い起こさせる要素も至る所で見受けられたかと思います。

 

エンディングでリンクがゼルダ姫に手を伸ばした意味、そこまでプレイした方ならもうわかると思います。僕らは「新しいゼルダ「過去のゼルダも、全てを楽しんで遊んだんです。「すべてのゼルダを救い上げたんです。

 

これが新しいゼルダのアタリマエ、新しいゼルダの伝説なんだろうなと、僕は思いました。

 

 

 

 

■「任天堂のアタリマエ」

さて、ゼルダの伝説自体のお話はここまでなんですがここからは僕がここ最近の任天堂作品に感じた話をしようと思います。

 

というのもTotkのテーマがざっくり言うと「温故知新」なわけですが、そういえばここ最近の任天堂作品ってみんな同じテーマじゃないか?って思ったんですよ。

 

わかりやすいところで言うとポケモンSVですね。

ポケモンSVはコライドン、ミライドンという過去or未来から来たポケモンと共に主人公が自分の大切な物、宝探しをするという話です。要するに「過去と未来をめぐって大切なものを探す」ってテーマです。実はゼルダと似てるテーマなんですよ。

 

他にもゼノブレイド3。

僕の過去のブログ記事でも書いてますがこのゲームはアイオニオンという永遠に輪廻転生を繰り返す世界で、過去の人から想いを受け継ぎ未来へ進むための意志を得るという物語です。やっぱり「過去と未来をめぐって大切なものが何かを知る」物語なんですよ。(一応僕の過去記事も載せておきます。)

ゼノブレイド3の解釈まとめ 1.物語の解釈 - ニャッシャソゲームイズム

 

 

その他直近に発売した任天堂作品に関しては僕は遊んでないんですが

 

メトロイドドレッドだとサムスと関わりの深い、「鳥人族」という過去に絶滅した一族が話に出たり、

カービィディスカバリー滅びた文明都市を探索していたり、

FEエンゲージは過去作の英雄と共に戦えることを売り文句にしていたり。

 

…うーん、なんだかそれっぽい。

遊んだ方がいれば教えていただきたいですがこれらもやっぱり「温故知新」みたいなテーマが各作品にあるんじゃないでしょうか?2作品だけなら偶然かもしれないですがこれだけの作品のテーマが共通しているとなると何か意図がありそうです。

 

 

なぜここ最近の任天堂作品に共通したテーマが設けられているんでしょうか?

ここからは個人的な解釈ですがその理由って他でもない、Switchにあるんじゃないだろうか?って思うんです。

 

というのもこのSwitchというゲームハード、先代社長である故・岩田前社長が熱心に関わっていたプロジェクトです。この話はSwitch発売当時のインタビュー記事などで語られています。(当時の記事のリンク貼っておきます)

「Nintendo Switchは、岩田聡前社長のアイディアが反映されたものになる」宮本茂氏が語る - AUTOMATON

 

他にもスマブラSPディレクターの桜井さんも日本ゲーム大賞の授賞式で岩田さんへの想いを語っています。(同じく授賞式の桜井さんのコメントのリンクを貼っておきます)

発表授賞式|日本ゲーム大賞

 

 

このように今の任天堂において岩田さんの存在というのはとても大きな物のようです。岩田さんは残念ながらSwitchが発売される前に亡くなられたのですがSwitchが世界的なヒットを成し遂げているのも、今の任天堂が在るのも岩田さんあればこそなんですよね。

 

だから、近年の任天堂作品が「温故知新」をテーマにしてるのって

岩田さんや任天堂を支えてきた人たちへの畏敬の念

の表れなんじゃないか、と個人的には思います。

 

Switchの発売から6年の歳月が経ちました。いつになるかはわからないですがいずれ新世代のゲームハードの話も出てくるのではないかとも思います。任天堂が会社である以上、一か所にとどまることはできません。時代に応じて、人々が求める物を作っていかないといけないです。

 

だから、任天堂がこのタイミングで「過去を振り返り、これからの未来の在りようを考えること」を一様に作品のテーマとしたのは岩田さんやそれ以前の先代、山内社長などの方々、任天堂を支えてきた人たちへの感謝であり、改めて会社として未来へ進むための決意の表れなのではないだろうかと思います。

 

 

…まぁ本当の意図を知るのは任天堂の方々だけなんですが。けど多くの作品で共通したテーマを持っているので何らかの意図があるのは間違いないかと思います。任天堂の真意はわかりませんがいずれにせよ任天堂ファンとして今後の展開も楽しみにしていこうと思います。